アイルランドの思い出(5)・・・映画「麦の穂をゆらす風」を見て

映画「麦の穂をゆらす風」を見ました。

この映画は、アイルランドの独立戦争と内戦(1920年)を描いたもので、2006年のカンヌ映画祭でパルムドールを受賞したそうです。
アイルランドをいっしょに旅行したMさんから、「いいから見て」と勧められていました。
しかし、その時は映画館での上映が終わっていたので、レンタルされるのを待っていました。
最近いとこのKさんと話した時、Kさんもこの映画を見たとのことだったので、私も見てみました。

Mさんが言ったように、非常に心を打つ作品でした。
また、Kさんが言うように、心が痛くなりました。
イングランドとアイルランドの根強い対立。その後、アイルランド人同士が敵味方になる内戦に・・・。
悲しすぎる結末に、むなしさとやるせなさが、私の心を重くしました。

大好きな国、アイルランドにこんな悲惨な過去があったとは・・・。

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アイルランド旅行中にも、アイルランドの歴史を物語るものを見ました。
北アイルランドのベルファストで見た政治的な壁画です。
カトリック、プロテスタントの各居住地域に点在していました。
アパートや店や倉庫の壁に描かれていましたが、それらを見るとアイルランドの経てきた辛い過去を知ることになりました。
d0111216_23572221.jpgアパートの壁に描かれているのは、じゃがいもの立ち枯れ病による大飢饉(1845年~1849年)の様子
この飢饉で、百万人が餓死、百万人がアメリカなどに移住したそうです。
アメリカ大統領だったジョン・F・ケネディ、ロナルド・W・レーガン、ビル・クリントンは、この時移民したアイルランド人の子孫だと聞きました。

下の写真は、独立戦争や北アイルランド紛争を描いたもの。黒い覆面はIRAの兵士。
前年にもここで発砲事件があったと聞き、まだ完全な和平には至っていないのかもしれないと思いました。
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これは、近年を描いた壁画
好景気で活気のある都市、若者が楽しげにくつろいでいます。こういう壁画を見るとほっとします。

この地域は、カトリックとプロテスタントの居住区がはっきりと別れていて、今も交流がないのだそうです。
2つのグループが長い間対立してきた結果、人々の心には、簡単には埋めることのできない溝ができてしまったのでしょうか。

私たちは、壁画を探すために何度も道を尋ねましたが、どちら側の人もとても親切に教えてくれました。
お店の人は道まで出てきて、駅員さんも車の所まで来て、肩を抱くようにして方向を指差しして教えてくれるのです。そして、別れる時は、必ず満面の笑みで「よい旅を!」と言ってくれました。
とてもフレンドリーですてきな笑顔の人たちでしたから、皆が仲良く暮らせたらいいのにと心から思いました。
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Commented by miyotyann at 2008-01-23 16:19
アイルランドは、以前ののんこさんのブログよりの知識しか無いので、今回はネット検索して、知識を少しだけ加味し、映画の解説と、のんこさんのブログを拝見しました。
すごいなあ~と感心しきりです。そして、ようやくのんこさんが、アイルランドに惹かれていく気持ちがすこしだけですが、分ったような気がします。

政治と宗教の対立が争いの引き金と言いますが、今なお独立戦争や北アイルランド紛争の壁画が存在している。しかも内容は古くても、壁画そのものが古びていないという事は、現在の人々の心の中に、対立が深く根ざしているという事なのですね。
実際の写真はやはりインパクトがあります。次も楽しみにしています。

それと、映画の解説はトラックバックとかリンクというものでしょうか?のんこさんすごいです。

Commented by のんこ at 2008-01-23 19:57 x
☆ミコさま
アイルランドに興味をもたれたようですね。
この壁画は、ふつうの旅行者ではなかなか見られなかったと思います。在アイルランド30年のKさんでも苦労しながら見つけてくれたのですから。
対立が今なおあるのは残念ですが、辛い歴史を葬ることなく、心に刻みながら生活している人々には、頭の下る思いがしました。

映画の解説は親切で、これを見るだけでも見た気になれますよね。
私はリンクしただけです。
と、言っても、「リンク」ができるようになってまだ2ヶ月。偉そうなことは言えませんね(*^_^*)。
by naninunenonko0905 | 2008-01-23 00:24 | 旅の思い出 | Comments(2)